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色素性母斑(ほくろ)の治療

ほくろの治療では、ほくろの形や大きさ、できている場所などによって最適な治療法が異なります。

レーザー治療(ルビーレーザー・炭酸ガスレーザー)、高周波電気凝固術、切除法、冷凍凝固法など、多様な方法があります。発生部位や形、色、大きさなどから判断して、もっとも傷跡が目立たないと考えられる治療法を選択します。

なお臨床的に腫瘍が疑われる場合には組織検査が必要ですので、健康保険が適応されます。

症例1

レーザー治療前
治療終了4年後

症例2

治療前
3ヶ月後

レーザー治療

ほくろの治療に用いられるレーザーは主に下記の2種類です。

  1. ルビーレーザー;平坦な多発性のほくろに使用します。メラニン色素に反応するレーザー光線で、ほくろの色を少しずつ抜いていきます。治療は1~3カ月おきに行いますが、色を完全に抜くためには数回(個人差があります)の治療が必要です。時間と経費がかかりますが、ほとんど傷跡になりません。場合によっては照射部位を防水フィルムで保護します。その間はお化粧は控えていただきます。
  2. 炭酸ガスレーザー;小さなほくろで、平坦かわずかに隆起するものに使用します。ほくろそのものをレーザーの熱で蒸散します。治療はおおむね1~2回で完了しますが、場合によっては若干わずかに陥凹した傷跡になります。なおレーザー治療後は7日ほど軟膏の外用が必要です。場合によっては照射部位を防水フィルムで保護します。その間はお化粧を控えていただきます。

高周波電気凝固術

ドーム状に盛り上がったほくろに適する方法です。電気メスを使用し、ほくろを焼灼して平坦にします。平らになるように浅めにシェーブするので、最終的な傷跡はあまり目立ちません。ただし色の濃いほくろの場合は、皮膚深くにも色素が存在するので、しばらくして中央部の毛穴に、若干色が再発します。(目立たない場合がほとんどですが、気になる場合は6か月ほど後にレーザーを照射するのが有効です。)     *深くシェーブすれば色の再発はありませんが、より陥凹した傷跡になってしまいます。
*さらなる詳細は→こちらへ(医師向けテキストPDF)

切除法

直径3mm以内のほくろでは、筒状のメスを用いて丸くくり抜いてしまう方法も良い方法です。縫合せずに傷が縮むのを待つため、10日ほどのガーゼ貼付が必要です。結果として軽いにきび痕ほどの傷跡となりますが、部位によってはほとんどわからなくなる場合もあります。メスを使った切除/縫合の場合は5日ほどで抜糸します。その間はガーゼ貼付が必要です。

  • 注意事項:ほくろの治療では施術後6か月間ほどのスキンケアがとても重要です。傷が落ち着いても1か月に1度程度の経過観察が必要です。
  • 費用について:組織検査が必要な場合をのぞいて、健康保険は適応されません。(治療方法や、ほくろの数によって、¥33,000~¥55,000の費用が生じます。)