接触皮膚炎(かぶれ)とパッチテスト
接触皮膚炎とは?
触れた物質に対して皮膚が過敏に反応し、赤く炎症を生じた状態です。厳密には一次刺激性の接触皮膚炎(誰でもなるもの)と、アレルギー性の接触皮膚炎(人によって生じるもの)があります。
原因物質は?
化粧品(各種メーク用品、基礎化粧品、日焼け止め、口紅、リップクリーム、毛染め、パーマ液、整髪料によるものなど)をはじめ、金属(装身具=ピアス・ネックレスやビューラー、ベルトのバックル、下着の金具、歯科金属によるものなど)、薬剤(外用剤)、食物・植物(マンゴー、うるし、ぎんなん、花、観葉植物etc)、ゴム、皮製品、衣類(クリーニング剤など)、紫外線によるものなど、我々が日常的に接しうる、ありとあらゆるものが原因となる可能性があります。
- お化粧かぶれでは、通常長年使用してきて問題なかったものに対して、突然かぶれを起こすようになります。アレルギーを起こすようになるまで(感作するまで)長い期間を要するからです。(補足:化粧品に「無添加・無香料」あるいは「植物性」と表示してあるからといって、「低刺激」の製品とは限りません。また絶対にかぶれる可能性がない化粧品は、この世に存在しません。)
- 慢性的な金属アレルギーでは、金属と接触する皮膚が溶けてしまったり、体の広い範囲に難治性の湿疹病変(自家感作性皮膚炎)を生じてしまうことも少なくありませんので、特に注意が必要です。
かぶれの検査方法(パッチテスト)
かぶれの原因を特定する検査法に、以下のような「パッチテスト」という方法があります。これを行って原因を特定できれば、ご自分の周囲から原因物質を排除することが可能です。金属アレルギーの場合も、ご自分に合わない金属を知ることができます。
実際のテスト法
- 上背部または上腕内側の皮膚に、かぶれの原因と考えられる物質類を個々に塗り込んだテープをはります(一度に15種類まで貼付可能)。
- 2日後にご来院していただき、テープをはがします。15分ほど後に個々の物質に対して皮膚がどう反応しているかを観察します。
- 3日目に最終判定します。(場合によってはさらに4日間経過を追います)なお、薬剤や化粧品などによるものでは、さらに個々の成分ごとのパッチテスト(成分パッチテスト)が必要な場合もあります。
注意事項
- パッチテストは予約制です(月火水土曜のみ)。診療時間内にお電話で予約を受付けます。
- 化粧品のパッチテストをご希望の患者さんは、お使いの化粧品類を当日必ずご持参ください。
- 金属アレルギーの検査は、ニッケル、コバルト、金、白金など一度に15種類をテストします。
- テスト中の3日間は入浴はできません。検査部位をさけてシャワー浴のみとなります。またテスト中は検査部位 を掻いたり、こすらないようにお気をつけ下さい。
- なお、検査の性質上、汗をかく季節にはできません。冬季限定となりますのでご注意ください。